春色の恋−カナコ−[完]
河合さんが何を話そうとしているのか。

今朝の、おにいちゃんとのやり取りと関係があるんだろうか。

でも、きっとそう。

真剣な河合さんを見て、どんな言葉が出てくるのかわからない私は、ドキドキが止まらない。

「俺は、カナコちゃんといつまでも一緒に過ごしたいと思っている」

「え…」

不意に両手を握られ、思わず視線を自分の両手に向けてしまった。

「愛してるよ、カナコちゃん」

少しだけ握られた手を引かれ、下を向いていた私の頭が河合さんの胸に当たった。

それと同時に、河合さんのキスが私の頭に落ちてきて。

「いつか、その時が来たら結婚してくれる?」

思いもしないその言葉に、思わず顔をあげて河合さんを見てしまった。

いつも大人で、頼りになる河合さん。

でも、今の顔は少しだけ恥ずかしそうで、そして少しだけ不安そう。

「まだ、カナコちゃんは若いから。沢山のことを経験して、素敵な女性になってほしいと思う」

何も言葉が出てこない私だけど、目から涙がこぼれおちた。

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