春色の恋−カナコ−[完]
それでも、さっきの家での出来事があれこれ消化不良になっているのは事実だった。

「あの…」

質問してもいいんだろうか。

これって、私の勘違いとかなんじゃないかな。

自分に都合よく解釈しているだけで、そんなに深い意味はないとか…?

うまく言葉にできなくて、もじもじしていると信号が青になってしまい、河合さんは再び前を向いて車を発進させてしまった。

「カナコちゃん。水族館へ行こうか」

「え?」

車は海の近くにある水族館へ向かっているようで、国道をまっすぐ進んでいた。

沈黙が続く中、車は目的の水族館に到着。

散歩コースもあるこの水族館はデートコースに人気で。

海に面した駐車場に車を止めると、水族館へ入る前に少し歩くことにした。

ごく自然につながれた手は、いつもどおりとても優しくて。

いつもより会話は少ないけど、手のぬくもりから不安な気持ちが薄らいでいくのがわかった。

「カナコちゃん」

少しだけ丘になっている場所にあるベンチに腰掛け海を眺めていると、河合さんが私を見ながら名前を呼んでくれて。

いつもよりも少しだけ真剣な眼差しに、私の心臓が大きく動いた。

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