朝、目が覚めたら意地悪なアイツと一緒のベッドで寝ていた件について



「春野っ!なんでうちに来てるの!?お兄ちゃんにバレたら本当面倒なんだってば…」

「悪い……わかってるけど一学期なんてすぐ終わるだろ、ちょっとでも一緒にいたいんだよ」

「う…それもそうだよね、でも今日は手繋いじゃ駄目だよ?お兄ちゃんいつ見られるかわからないんだからね」

「あぁ」

「もしお兄ちゃんに見られてもたまたま道で会ったんだからね?」

「わかったって」



何だかんだ言ったけど、わざわざ家まで迎えに来てくれてた事が嬉しくて胸が熱くなっている。



…こんなに大事にしてくれるなら一年の時あんな意地悪しないで今みたいに接してくれてたら良かったのに。



私達は学校へと向かった。



学校に到着してクラス分けの表が配られる。


「うっわ…まじかよ」

「どうしたの?」

「クラス違う上に琴音と哲哉が同じクラス…」


春野はすごく落ち込んでいた。


すると、その場に山田君がやって来て爽やかな笑顔で私に向かって軽く手を振った。



「三神さん、おはよう。俺達同じクラスだね。よろしく」

「あ、山田君…今年もよろしくね」

「一緒に教室行こう?」



山田君はそう言うと、何故かなんと私の腰に腕を回した。



「へ!?山田君?」

「おい!哲哉、琴音から腕離せよ」


山田君の突然の行動に驚いていると、春野が私の腕を自分の方に引いて山田君から引き離した。


「何で?一緒に教室行ったらいけない?」

「いけなくねぇけど!一緒に教室行くのに腰に腕回す必要ないだろ!?」



すると山田君はにっこりと笑った。



どういう事?
相変わらず笑顔は爽やかなんだけど、いつもの山田君の優しい雰囲気とは違う様に感じる。



「嵐、悪いけど俺もう遠慮しないよ?」

「は?遠慮って何の話だよ?」

「一年の時さ…三神さんと話せるタイミングが出来そうになると嵐がいつも邪魔してきたよね?俺も嵐の気持ち知ってたから今まで何も言わなかったけど」

「お前、まさか…」

「そうだよ。俺も三神さんの事好きだから」


山田君の言葉に私は驚く事しか出来なかった。



これは何かの間違い……だよね?

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