朝、目が覚めたら意地悪なアイツと一緒のベッドで寝ていた件について
「お前!そんな事一言も言ってなかったじゃねぇか!」
「だって一言も言ってないし」
「って事は琴音と哲哉は両想いで……」
「とも限らない。今回、嵐と仮でも付き合うって決めたのは三神さんだ。って事は二人の間でどんなやり取りがあったか知らないけど三神さんの気持ちに変化があったはずだ」
…確かにそうだ。
まさか、山田君が私の事好きでいてくれたなんて驚いたけどだからと言って約束の日の前に春野との仮恋人の関係を終わらせるつもりはない。
春野を見ると春野と目が合ったけどすぐに逸らされてしまった。
春野は悲しそうな顔をして俯いてキュッと拳を握った。
「あー……そしたら俺」
「もう二人は両想いだから俺が身を引けば良い話……なんてふざけた事言うなよ?」
「…え?」
「嵐の考えてる事なんてすぐわかる。何年友達やってると思ってんの?でもな、この件に関しては嵐か決めることじゃない、三神さんが決めることだ。俺は三神さんに嵐が本当は良い奴だってわかってもらえるのを待ってた」
「あの……春野、私一学期の終わりまでちゃんと春野の事見るつもりだから私から別れたりしないよ?」
「あ、当たり前だろ!?俺だって……ここまで来て誰が琴音の事諦めるわけないだろ!最後に琴音の隣りにいるのは俺だからな!」
どうしよう…大変な事になっちゃった…どうして急にモテる事になっちゃったんだろ?
すると予鈴のチャイムが鳴り響いた。
「じゃあ、俺と三神さんは同じクラスだから一緒に教室行くから。三神さん、行こう」
「うん…春野…またね」
もう…こういう時どんな態度でいればいいのかわからないよ。
新学期穏やかには過ごせそうにありません。