再愛婚~別れを告げた御曹司に見つかって、ママも息子も溺愛されています~
 それに、真綾と叔母たちとの会話も聞いていたはず。となれば、幹太が二日間戻ってこないことを耳に入れてしまっただろう。

 逃げられない。そんな思いで絶望している真綾の元に、央太が近寄ってきた。
 だが、その顔を見て、思わず叫んでしまう。

「央太さん! どうしたの? その顔!」

 近づいてよくよく見れば、彼の口元は腫れ上がり、かさぶたができている。
 数日経った傷口といった感じではあるが、誰かに殴られでもしたのか。

 だが、弁護士である彼を殴る人物とは一体……?
 オロオロしている真綾を見て、央太はバツが悪そうにその傷口を拳で隠して押し当てる。

「大丈夫だ。それにもう数日経っている。じきに治るだろう」

 サラリとなんでもない様子で彼は言うが、とても痛そうだ。
 ジッとその傷口を見つめていると、央太は声をかけてくる。

「それより、真綾。今日、これから時間あるだろう?」
「……どうしてですか?」

 これは一刻も早く退散した方が身のためだろう。彼とは距離を置く。それが一番だと考え至ったじゃないか。
 踵を返してマンションに戻ろうとする真綾の手を、央太は捕まえてくる。

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