再愛婚~別れを告げた御曹司に見つかって、ママも息子も溺愛されています~
「あのいけ好かない外国人に気に入られているらしいなぁ。それは、何より何より」
「……?」

 意味がわからず顔を顰めていると、その男性は何が可笑しいのか。
 ガハハと豪快に笑って、その場を去って行った。
 全く意味がわからない。警備員に引き渡した方がよかっただろうか。
 そんなことを考えていると、真綾にひっついていた品川が震えているのに気がついた。

「どうしたの? 品川さん」

 いつもにこやかでかわいらしい品川の顔は真っ青だ。ガタガタと震えていて、心配になるほど。
 ギュッと彼女を抱きしめると、か細い声で呟いた。

「どうしよう……。怖い」
「え?」
「なんで、あの人……ここに?」

 彼女の身体は震えたままだ。まずは、会社に入ってロビーのソファーで休ませた方がいい。

「こっちに行きましょう。歩けますか?」

 足取りも怪しい彼女をなんとかオフィスビルの中まで連れてきて、ソファーに座らせる。
 彼女の足元にしゃがみ込んで見つめた。
 今も尚、顔が青ざめている。彼女の震えている手をギュッと握りしめると、とても冷たかった。

「大丈夫? 医務室に行きましょうか?」

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