再愛婚~別れを告げた御曹司に見つかって、ママも息子も溺愛されています~
 ハッと我に返ったときだった。携帯の着信音が鳴り響く。
 慌ててジャケットのポケットに手を入れて携帯を確認すると、幹太が通っている保育園からだ。

「スミマセン、ちょっと保育園から連絡が」

 青ざめた真綾を見て、ノアも顔を顰める。

「もしかして、幹太に何かが?」
「わからないです……。ちょっと失礼いたします」

 チラリと央太を見ると、先ほどこちらの顔を見たときよりも驚いた顔をしている。
 それもそうだろう。彼は何も知らないのだ。
 この六年間、真綾がどんな所で、どんなふうに人生を歩んできたか、を。
 それも、央太に内緒で彼の子どもを産んで育てていたことも……何も知らない。
 
 何か言いたげな様子の央太を横目に、保育園からの電話に出る。
 ノアと央太が見守る中、幹太の担任の先生から事情を聞く。
 
 お昼ごはんをあまり食べようとせず、いつもの元気がないように感じた先生が体温を測ってくれたところ、少し熱があったようだ。
 迎えに来てほしいと言われた真綾は、「わかりました」と返事をして電話を切る。
 成り行きを見守っていたノアが、すぐさま心配そうに声をかけてきた。

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