身ごもり婚約破棄したはずが、パパになった敏腕副社長に溺愛されました

 その後は特に変わったことはなく終業時間を迎え、嘉月さんが車で迎えに来てくれるまで店で待機していた。彼と合流してカジュアルなビストロへ向かい、初めて朝陽さんと対面した。

 緩くうねるアンニュイな雰囲気の髪を耳にかけ、可愛さのある整った顔立ちで、嘉月さんとはまたタイプの違うイケメンだ。

 先に席についていた彼は、立ち上がって丁寧に挨拶する。


「はじめまして。霜平(しもひら)朝陽です」
「明河都です。お会いできて嬉しいです」
「俺も。かづ(にい)の彼女ってほとんど会ったことないから、婚約者さんとどう接するのかすごく気になってね」


 砕けた調子で口角を上げる朝陽さんの発言に、嘉月さんはぴくりと片眉を上げる。


「別に普段と変わりないと思うが」
「自分では気づかなくても変わるものなんだって。特にかづ兄は素がコレだから」
「コレってなんだ」


 仏頂面で茶々を入れるお兄さんに、無邪気に笑う弟さん。やはり仲が良好なのはすぐに感じ取れて、私もあっさりと気を許して笑っていた。

 自己紹介を終えたところで、私と嘉月さんは朝陽さんと向き合って席についた。美味しい創作フレンチを楽しみながら、和やかにお互いの話をする。
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