兄妹 ~禁断の恋が動き出す運命の一夜~
それに・・・
心配そうな顔をしながら私の頭を撫でる蓮人。

私が入院してから、蓮人は明らかに昔の距離感に戻っている。

それが今の私にはなぜか恥ずかしくもあり、どきどきしてしまう。

きっと別れる前に修平がのこした言葉が引っ掛かっているだけだ。

「仕方ないな。ちょっと待ってろ。」
蓮人はそう言って、シャワー室でがたがたと何かを用意してから病院の廊下へ出て、椅子を持って病室に戻ってきた。

「許可取ってきた。」
「え?」
ベッドから動けない私を見てふっと微笑む蓮人。
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