秘夜に愛を刻んだエリート御曹司はママとベビーを手放さない
「――清香のそういうところが、たまらなく好きだ」
まっすぐな告白がくすぐったくて、甘い空気が心地よくて、離れていた期間の寂しさも不安も一瞬で消し飛んでしまった。
「でも、どうして私が碧美島にいるってわかったんですか?」
今度は志弦側の事情を聞く番だ。彼はロンドンでの日々を語り出す。
「駒子さんがお手紙を? 私のせいで職を失ったのに、そんなことまでしてくれるなんて」
「心配してたから、あとで電話してみよう。声を聞かせてやれば、きっと喜ぶ」
「はい! 駒子さん、今はどちらに?」
彼女は住み込みの従業員だったはずだ。昴に追い出されて、その後どうしているのだろうか。
「また赤坂の本家に戻っているよ。千佳さんもね」
「そうなんですか? でも昴さんは?」
「そのことだが……」
志弦は厳しい表情で声をひそめた。あまり語りたい話題ではないのだろう。
彼の口から告げられた真実は驚くべきものだった。
「遺言の書き換え?」
思わず大きな声を出してしまう。彼はうなずき、言葉を続ける。
「涼花さんの暴走で、昴自身は関与していなかったようだが……弁護士を抱き込んで、祖父の遺言状に細工をしていたんだ」
源蔵の死の前後、弁護士の挙動が不審だったと源蔵の近くにいた人間は不信感を抱いていたらしい。それが事態発覚のきっかけにもなった。
まっすぐな告白がくすぐったくて、甘い空気が心地よくて、離れていた期間の寂しさも不安も一瞬で消し飛んでしまった。
「でも、どうして私が碧美島にいるってわかったんですか?」
今度は志弦側の事情を聞く番だ。彼はロンドンでの日々を語り出す。
「駒子さんがお手紙を? 私のせいで職を失ったのに、そんなことまでしてくれるなんて」
「心配してたから、あとで電話してみよう。声を聞かせてやれば、きっと喜ぶ」
「はい! 駒子さん、今はどちらに?」
彼女は住み込みの従業員だったはずだ。昴に追い出されて、その後どうしているのだろうか。
「また赤坂の本家に戻っているよ。千佳さんもね」
「そうなんですか? でも昴さんは?」
「そのことだが……」
志弦は厳しい表情で声をひそめた。あまり語りたい話題ではないのだろう。
彼の口から告げられた真実は驚くべきものだった。
「遺言の書き換え?」
思わず大きな声を出してしまう。彼はうなずき、言葉を続ける。
「涼花さんの暴走で、昴自身は関与していなかったようだが……弁護士を抱き込んで、祖父の遺言状に細工をしていたんだ」
源蔵の死の前後、弁護士の挙動が不審だったと源蔵の近くにいた人間は不信感を抱いていたらしい。それが事態発覚のきっかけにもなった。