秘夜に愛を刻んだエリート御曹司はママとベビーを手放さない
品のある佇まいや身のこなしから、育ちがよいことは感じ取っていたが、どうやらとんでもないセレブだったようだ。清香の同級生には大金持ちも多いが、プライベートジェットを所有しているなんて話はほとんど聞いたことがなかった。
(お見合いの件がなくても、最初から手の届かない人だったんだな)
榛名画廊のお嬢さま。そんなふうに言ってもらえることもあるが、自分の家が〝ちょっといいおうち〟の域を出ないことは知っている。本物のセレブとはとても釣り合いが取れない。大河内家との縁談は、当主が祖父の大ファンだからこそ降ってきた話なのだ。
残念というよりは、むしろほっとする。叶わぬ願いを抱かなくて済みそうだ。
「それに……」
低い声でささやいて、彼は肘掛けのうえに置いてあった清香の手に自分の手を重ねた。
「せっかくのデートだから。ここなら誰にも邪魔されない」
本当に好きな女性を相手にしているかのような、情熱的な声音に清香の心臓は小さく跳ねる。
「……です」
「ん?」
赤面する清香をからかうように、彼が顔をのぞき込んでくる。
「サービスしすぎですよ。私なんかに……」
こんなデートをしてもらえるとは思ってもみなかったのだ。うれしすぎて、逆に脳が混乱している。彼の顔が近づく。吐息が耳にかかって、背筋がぞくりと震えた。
「リピータ―獲得のためにはサービスが重要だろう」
(お見合いの件がなくても、最初から手の届かない人だったんだな)
榛名画廊のお嬢さま。そんなふうに言ってもらえることもあるが、自分の家が〝ちょっといいおうち〟の域を出ないことは知っている。本物のセレブとはとても釣り合いが取れない。大河内家との縁談は、当主が祖父の大ファンだからこそ降ってきた話なのだ。
残念というよりは、むしろほっとする。叶わぬ願いを抱かなくて済みそうだ。
「それに……」
低い声でささやいて、彼は肘掛けのうえに置いてあった清香の手に自分の手を重ねた。
「せっかくのデートだから。ここなら誰にも邪魔されない」
本当に好きな女性を相手にしているかのような、情熱的な声音に清香の心臓は小さく跳ねる。
「……です」
「ん?」
赤面する清香をからかうように、彼が顔をのぞき込んでくる。
「サービスしすぎですよ。私なんかに……」
こんなデートをしてもらえるとは思ってもみなかったのだ。うれしすぎて、逆に脳が混乱している。彼の顔が近づく。吐息が耳にかかって、背筋がぞくりと震えた。
「リピータ―獲得のためにはサービスが重要だろう」