だめんずばんざい






お試しと称した1週間で、カオルちゃんを運命の人だと確信し、自力で見つけた自分を誉めた。カオルちゃんの宣言通り、叔母夫婦のバーで報告のために待ち合わせをする。先にカウンターに陣取った俺は

「カオルちゃん、最高に可愛くて、おおらかでいて…ほんのたまに几帳面で…ポンポン飛び出す優しい言葉に少しの照れが隠されている時なんか、もうね…震える可愛さだよ」

二人にデレた…うん、自分で言うのも恥ずかしいがデレたんだ。カオルちゃんは来るなり

「座りづらい…ってか、お客さんに向ける目じゃないよね?」
「そうだよね、ひどい夫婦だよ。別の店に行こうか?」
「うん…報告だけして出ようか…ガクトとは、おしゃべりが楽しいのに聞き耳を立てられてたら話も食事も進まない」
「それ、それだよね。カオルちゃんのそういうはっきりしたところが好き」
「うん、ありがと~」
「おおらかなところも最高」
「あははっ、大雑把とも言う」
「自分のことは…そうやって少し照れたのを隠すのも可愛い」
「そこは気づいてもスルーして」
「可愛いんだから仕方ないよね?カオルちゃん、俺と付き合って」
「いいけど…聞きたいことがある」
「「いいの?」」

二人の出る幕じゃないって…

「うるさい二人は仕事して。ん?カオルちゃん、どーぞ」
「うん。じゃあ、オーナーたち…お試しはひとつの問題点もなく、お互いが好きってことで私たち付き合います。報告は以上です。ちょっとデートにいってきます」

やっぱりカオルちゃん、最高っ。抱きしめたいのを我慢して‘デート’と言ってくれたこの辺りの食事場所を高速で頭に思い浮かべた。

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