極彩色の絵画みたいな(詩集)

さよなら

「さよなら」



どうしても「さよなら」は言いたくなかったから、こっそり「さよなら」を四つ折りにして、テープで留めて、ハンカチに包んで、鞄の底に押し込めて、ポーチを乗せて動けなくした。わたしの「さよなら」は動けない。だからどうか、あなたの「さよなら」も動かさないでいて。




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