恋なんて、正気の沙汰じゃない!
先生が、私の顔をジッと見て、それから いつものようにフッと笑う。
同じ笑顔に、少しホッとしたのも束の間、
「何って、足枷。
雛が逃げないように…」
近くの鎖を持って、クイクイっと鎖が外れないか確認する仕草をした。
初めて下の名前を呼ばれた事よりも、先生の仕草の方が衝撃的すぎて、次の言葉が出てこない。
怖い……
適当だけど、チャラそうだけど、いい先生だと思ってた。
他の先生よりも、接しやすくて、話しやすくて…
恐怖なんて抱いた事はなかった。
それなのに……、
今は怖い。
全く知らない人みたいで…
怖い……
この人は、誰?
「か、帰らせて……」
恐怖で、声が震えてしまう。