恋なんて、正気の沙汰じゃない!
ザァーーー…
遠くからシャワーの音が聞こえてくる。
きっと、今から学校へ行くんだ。
その時が、逃げ出すチャンスかもしれない。
暴れても何しても、絶対に ここから逃げ出してみせる。
ガチャッ
先生の方を見ないように、ベッドの上で膝を抱えて顔を伏せた。
顔に出るタイプだから、見られないように。
「じゃ、学校に行ってくるから、大人しくしてて。
雛は 病欠だって、連絡しとく。」
ポンっと、私の頭に先生の手が触れた。
身体が強張る。
早く行ってよ……
心の中で叫ぶ。
「あ、そうだ、これ。」
コトッと、サイドテーブルに何かを置く音が聞こえた。
チラッと腕の隙間から覗き見ると、ペットボトルの水。
…あぁ、水分補給ね。
そう思っていたら、
「雛は大人しくしてるタチじゃないよね。」
すぐ傍から聞こえた少し低い声に、身体が反応した。
思わず顔を上げると、目の前に先生が……