恋なんて、正気の沙汰じゃない!
ブーーーッ
再び、携帯が鳴った。
(佐竹君)〈わかった。また帰ったら、連絡する(^ ^)〉
佐竹君から。
少し迷って、そのまま画面を暗くした。
きっと今、部活中だろうし……
返信したら、邪魔になっちゃうかもしれないし……
そんな言い訳を、心の中で並べて。
「彼氏?」
プリントを眺めながら、少し茶化すように聞いてくる。
「……ん。」
「声、ちっさ。
別にいいけどな。」
興味なさそうに、プリントを眺める先生。
ただの話題作りに聞いてきただけ…
それなら、
「先生はいるの? 彼女。」
私も話題作りに聞いたって構わないよね。
先生のプライベートって、謎。
結婚はしてなさそうだけど…、彼女くらいはいるよね。
プリントから視線を外して、私の方を見て、
「好きな人はいるよ。
彼氏がいるけどね。」
いつもと同じなのに、どこか寂しそうに笑う先生。
そう見えたのは、きっと気のせいじゃない。