ごくごく普通なわたしと美川くんの平凡な日常



ふふ、と笑う姿は上品で、なんというか一般の人には見えない明らかに高貴な人だよなー、と思う。いや身分云々はないにしてもやっぱり育ちの良い人ってわかるよね。所作とか雰囲気とか。


あとすごく単純に美川くんって見た目がとっても良いんだよね。男性的なかっこいい!って感じじゃなくて、穏やかで綺麗で女性的な美しさもあるんだけど男の人独特のオーラもあって…うーん、説明が難しい。あれだ。花道とか茶道とかやってそうな和風美人みたいな。男の人にこういう表現もどうかと思うけどそれがしっくりくる。


背も高いし、よく見れば細マッチョだし、手とかも男の人だなー、と要所要所をみるとしっかり男の人だけど、全体的におっとりした美人さんに見えるんだよね。性格も優しいし、穏やかだし。まぁそれはあくまでわたしが見ている一部かもしれないけど、害がないなら問題ないない。



「これから本屋さんに寄ろうと思ってるんだけどいい?」


「構いません、どうぞ希代さんのお好きに。そういえば貴女の好んでいた小説の新刊が出ていたので本棚のところに入れてありますよ」


「あら」



どうやらこの一瞬でわたしの用事はなくなってしまったらしい。でもしばらく本屋さんに行ってないしせっかくだからちょっとだけぶらぶらしてから帰ろうかな。



「ありがとう、美川くん」


「どういたしまして」



柔らかく笑う美川くんはやっぱり目の保養になる美人さんだなぁ、なんて思いながらこの頼りになるストーカーさん(?)と一緒に本屋さんに向かうのだった。




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