経理部の女王様が落ちた先には
初めて、この人と出た喫茶店の外の世界。
忙しく街の中を回り、その間、その間で、話を聞いて・・・。



この人と喫茶店の外に出られる日を、いつも、ほんの少しだけ、夢に見ていた。
でも、現実は、大きく違っていた・・・。



沢山の荷物を持って、この人がわたしの部屋・・・城の中まで運んでくれた。



「ありがとうございます・・・。」



部屋の中に置かれた、ブランド物の大量の紙袋・・・。



「あの・・・本当に、あんな方法で・・・。
わたしと、あまりに正反対で・・・」



どんどんと不安が増してきて、わたしの城の中にいるこの人を見上げる。
そんなわたしを見て、騎士のこの人は優しく笑う。



ブランド物の紙袋の1つから、箱を取り出した。
ゆっくりと開いたその箱の中には、綺麗な、高級な腕時計・・・。



「キミの首輪は、これにしようか。」



「首輪、ですか?」



「本当のキミは、この首輪で飼うんだ。」



「本当のわたしを・・・飼う?」



「この首輪を付けている時だけは、本当のキミはこの中に入れておけばいい。」



「出来ますかね・・・、わたしに・・・。」



不安になるわたしを、この人が優しく見下ろす。
そして、わたしを見ながら・・・
手に持った腕時計に、ソッと口付けをした。



「鍵をつけたから、開かない。」
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