経理部の女王様が落ちた先には
鋭い騎士の目のこの人が、わたしを見詰める・・・。




「分かった・・・。」




そう言って、腕時計を見下ろした。
今日は早くから会えたので、まだ18時半・・・。




わたしを見詰め直したその人の顔は、覚悟を決めた、やっぱり騎士のような顔だった・・・。




「武器を・・・使えるようにしよう。」



「武器・・・ですか?」



「それが、本当の姿だとしなくてもいい・・・。
あんな小さな箱の中で、本当の姿を見せなくてもいいと、俺は思っている。」



「武器・・・?本当の姿・・・?」



武器なんて、わたしにあるのか不安になっていると・・・



騎士のようなこの人がわたしの両手を取り立たせる・・・。



「あるだろ?立派な使える武器が。
俺じゃ真似出来ないような、強力な武器が、ちゃんとあるだろ。」



「ありますか?わたしに・・・?」



怖いくらい綺麗に整った顔でわたしを見下ろし、この人は満足気に笑う。



「誰もが従いたくなるこの顔と、誰もが下に敷いてもらいたくなるこの身体・・・。」



ずっとコンプレックスに思っているそのことを言われ、わたしは身体が強張る。



「最高だろ。使ってみろよ。」



騎士のようなこの人が、大きく綺麗な指でわたしの顎に触れ、クイッと顔を上げる・・・。



「教えてあげよう、社内の人間を自分の下に敷く方法を。」



「社内の、人間を・・・?」



「時間がないから、詰め込みになるぞ?」
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