経理部の女王様が落ちた先には
わたしの上にいる騎士のこの人は、何も言わない・・・。



何も言わず、わたしの心の中を満たしていく・・・。



大好きな人に抱いてもらうと、こんなにも心の中が満たされるものだと、初めて知った・・・。



初めて知って、すぐに失う・・・。




これが終わったら、騎士のこの人は、“わたし”から去っていく・・・。




でも・・・




良かった、わたしがキツイ顔で・・・。





お姫様には、なれなくて・・・。





お姫様にはなれなかったから、騎士のこの人とも、1回だけだけど、結ばれた・・・。





良かった・・・




良かった・・・





まだ、落ちない・・・




まだ、落ちていない・・・




きっと、まだ、落ちてはいない・・・





そう、心の中で繰り返しながら、開けたままのカーテンから見える月を見た。





きっと、あと少しで終わる・・・




わたしを強くも優しく抱き締めてくれる騎士のこの人を、初めて、わたしも抱き締め返した・・・。




最後に・・・




最後に・・・





強く、強く・・・。
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