経理部の女王様が落ちた先には
薔薇の花は、涙を流そうとしていた・・・。



この3年間、どんなに辛いことがあっても、悲しいことがあっても、絶対に泣かなかった、この薔薇の花のような子が・・・。



この子が抱く気持ちに気が付かない程、俺は鈍感ではなくて。



だからこそ、涙を溜める目を見て、この3年間、どんな気持ちで俺の隣に座っていたんだろうと、考えてしまった。
今も、どんな気持ちで俺に「さようなら。」と告げている?



どんな気持ちで、あの時、震える手で・・・



パンダの付箋に書いた、名前と連絡先を、俺に渡した・・・?



ずっと好きだった、この子のあの顔・・・。
よく整った、見た人を怯ませるような、意志の強い顔が・・・
俺の前では、最高に可愛い女の子になる・・・。



俺がこの可愛い部屋を出た後、1人で泣くんだろうな・・・。
1人で、たった1人で・・・。
この子は、そういう子だから・・・。



1輪でも綺麗に咲き誇れる、真っ赤な薔薇の花だから・・・



でも、刺がないから・・・



きっと、誰かに・・・



誰かに・・・




それを考えると、頭がおかしくなる。
いつも、いつも、この3年間、それを考えると、俺の頭は毎回、おかしくなる。





気が付いたときには、もう止められなかった・・・





急いでこの子の元に戻り、強引に抱き上げ、ベッドの上に倒れるように寝かせた・・・





上に跨がりジャケットを脱ぎなから、驚いているこの子を見下ろす・・・





1度、だけ・・・




そんな最低な考えが浮かんでしまった・・・。





1度だけしたら、きっとこの感情はおさまる・・・。
していないから、こんなにも求めてしまっているのだとも思うから・・・。





「お礼、先にもらっておく・・・。」





そんな、いつか言ったキスをした時と同じ理由で、最低な俺は・・・




今から、この薔薇の花のような子を、抱く・・・。
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