俺を嫉妬させるなんていい度胸だ〜御曹司からの過度な溺愛〜
 仕事部屋の扉をそっと開き中を見ると、パソコンの前で真剣な姿をしている。見惚れてしまうほどのイケメンだ。

 そ〜っと近寄りキャラになりきる。

「暁くん、私を見ないとお仕置きよ!」

 芹の気配に気づいていなかった暁は、ビクッとしながら振り返り、ポカンと口を開け呆ける。

 珍しい表情に、芹は思わず笑ってしまう。

「プッどうしたの?」

「せ、せ、せ、せり〜」

「ん?」

 小首を傾げた瞬間、身体が浮いた。

「反則だ〜」暁の絶叫と共に、気づけば寝室のベッドの上で組み敷かれている。

「え゛」

「無理だ。我慢できない。夢を見てるのか?」

 暁にとっては、ゲーム好きは知られていたが、隠していたアニメ好き。友達にも言えなかった趣味は、不完全燃焼のまま終わっていたのだ。

 それが……。それが……。

 目の前に三次元で実在する。しかも、愛してやまない彼女だ。

 そこからは、コスプレの衣装を脱がすことなく、芹に溺れていく。普段の暁からは考えられない激しい欲望に、芹も抵抗することなく溺れていく。

 まだ、平日の夜……。
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