【完】ハッピーエンドに花束を

 きらきらとした日々を過ごし、気付けば4日後には卒業式を控えていた。ほとんど毎日会っていた私たちは、今は友達としてじゃなく恋人として仲を深めている。

 私たちの距離がぐっと縮まったのは映画デートの日、キスをした日からだ。

 あの日を境に、何度も人目を惜しんではキスを重ねていた。

 人気のない廊下だったり、空き教室だったり、屋上だったり、別れ際だったり。会う度にキスをした。不意打ちに暁人の方からしてくる時もあれば、私から強請るようにする時もある。自然と引き寄せ合うようにする時もあった。

 学校でキスをするのは、何だかイケないことをしているみたいで背徳感が漂ってくる。けれど、そんなことも御構い無しに唇を寄せている私は、着実に彼にのめり込んでいった。
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