その人形は恋の行方を知っている
…だめだ。自分で言ってて気分が重くなってきた。雑貨店に寄って早く帰ろう。
「花恋、私たちも帰ろっ」
「あ〜、うん」
まだ何か言いたそうな花恋の腕を引いて私は校門を後にした。

「じゃあ、私ここ寄って帰るね。また明日ね〜。バイバイ!」
「うん。気をつけて帰んなよ〜。バイバイ!」

花恋と雑貨店の前で別れて、私は店内に足を踏み入れた。
「ノート…ノート…」
数学のノートは文房具コーナーにあるはず。
文房具コーナーを目指して真っ直ぐ向かっていると、途中に「特設コーナー」と書かれた小さな看板が目に入った。

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