先生、私がヤリました。
「リズちゃん。」

何も答えないし何も聞こえないリズちゃんに囁きました。

リビングのドアは閉めていたし、ハヅキくんはまだゲージの中。

でも聞こえないように、出来るだけ小さい声で囁きました。

「リズちゃんごめんね。でもあなたが悪いの。約束したのに。誰にも内緒だよって。」

マンションに帰宅してハヅキくんの頭を撫でて、コンビニに行く前に、玄関に放置したままのキャリーケースを開けました。

リズちゃんはグッタリしていて、ほっといててもこのまま死ぬんじゃないかって思いました。

口を塞いでキャリーケースもしっかり閉めてたし、正直、あわよくばって思ってました。
でもリズちゃんは死んでなかった。

だから私、リズちゃんの口に巻いたスカーフを外して「さよなら。」って言ったんです。

「ごめ…な………い…」

リズちゃんは上手に喋れませんでした。

「約束破ったらね、お仕置きしなきゃ。あなたは私の願いを壊そうとした悪い子。」

ヒュー…ヒューって小さく聞こえました。
リズちゃんが必死で呼吸しようとしてる音だったんでしょうか。
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