咲き誇れ、麗しい華。
頑なに受け入れようとしないユウキ先輩。


体育祭の後、教室ではユウキ先輩の話題で持ちきりだった。


特に女子たちは興奮してて。

『どこで知り合ったの?』『どんな関係なの? 付き合ってるの?』と質問の嵐状態。


勝手に答えるのはプライバシーの侵害になりそうだったので、『保健室でお世話になった人だよ』とだけ伝えた。


1番盛り上がったのはアンカー対決だったけど、MVPはユウキ先輩だと思うな。



「俺でさえ、去年1人も抜けなかったのに」

「怜央先輩、2回目なんですか?」

「うん。ユウキも去年出てさ。半周で3人も抜いたんだよ」

「さ、3人も!?」



あまりの衝撃に声が裏返る。

あれだけ速いなら2年連続で選ばれてもおかしくなさそうだけど、記録更新しちゃってる……!



「すごいですね……。何かスポーツやってたんですか?」

「うん。小学生の頃にサッカーやってた。麗華ちゃんのお兄さんもやってたんだよね? 俺、同じクラブだったんだよ」

「えええ!? 一緒だったんですか!?」



2度目の衝撃にまたもや声が裏返った。


立ち話した時に習い事の話題が出て、監督の名前が同じだったのだと。

兄とは2年間被っていたらしいが、年齢が離れていたため、直接関わったことはないのだそう。


最後の最後で、まさかの共通点……。

そうか。あの軽やかな身のこなしは、昔から運動する習慣が身についていたからなんだな。



「応援してくれてありがとう。嬉しかった」

「いえいえそんな! 優勝おめでとうございますっ」



早口でそう言い、視線を正面に戻す。

目を細めて微笑む顔が、借り物競走で指名された時の顔と重なって見えて。

家に帰るまで、胸の鼓動が鳴りっぱなしだった。
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