咲き誇れ、麗しい華。
スマホを取り出してメッセージアプリを開き、『小部屋仲間たち』と名づけられたグループチャットをタップする。

保健室登校が決まった後、いつでも連絡が取れるようにと交換したのだ。



「シンプルな市販のビスケットと、ハロウィンパッケージのクッキーにしようかなって」

「おー、いいじゃん。他の人は何持ってくるの?」

「スナック菓子と、チョコレートと、焼き菓子だったかな。バウムクーヘンとかマフィンとかの」

「へぇ〜。仮装は?」

「仮装は……侑希先輩がおばけで、凛華先輩は魔女、怜央先輩は、かぼちゃの……」

「ジャック・オー・ランタン?」

「そう、それそれ。……そんなに気になる?」



やたらと質問してくる兄にジト目で尋ね返す。



「まさか、飛び入り参加するつもり?」

「はぁ!? ないない! そもそも場所知らないし。というかその日は先約あるからどっちにしろ行けないし」

「先約〜? ほんとに〜?」

「ほんとだって。俺もその日友達と出かけるんだよ」
< 127 / 263 >

この作品をシェア

pagetop