咲き誇れ、麗しい華。

震える背中

青々としていた葉がすっかりと色づき、制服も冬服に移行した11月。



「同じ曲でも全然雰囲気違いますね」

「それぞれ個性が出てるよね。1組はおしとやかな感じで、2組ははつらつとした感じ」

「男子も女子も運動部が多いからなー。3組は吹奏楽部が多いからか、リズム感があったよな」

「みんなノリノリで歌ってたもんね。見てるこっちも楽しかったもん」



ちょっぴり肌寒い小部屋に、同級生を褒める声が飛び交う。


話題の中心になっているのは、先日行われた合唱コンクール。

私も侑希先輩も、当日会場にはいたものの、合唱には不参加だったため、音楽の先生に頼んで、記録用に撮っていた映像を観させてもらっているんだ。



「3年生のも観る?」

「んー、あんま時間ないし、最優秀賞のクラスだけ見ようかな」

「俺も。次移動教室だし」

「了解」
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