咲き誇れ、麗しい華。
みそ汁を飲み干し、ポツリと呟いた。


毎日誰かしらと交流している私にとって、この時間はちょっぴり苦手。誰にも会えないし、遊びにも行けないから。


小さく溜め息をついた後、壁掛け時計に視線を移す。


もう8時か……。

みんなは制服を着て登校し始めているというのに、私はパジャマ姿でベッドの上。


今頃教室では、「あれ!? チビ咲が来てない!」ってざわついてるかな。真子も心配してるかも。



「うっ……」



テーブルの上のスマホに手を伸ばしたら、再びお腹に痛みが走った。

学校には連絡しとくって言ってたし、もう少し落ち着いてからでいっか……。







──ブーッ、ブーッ、ブーッ。



「んんっ……」



タオルケットに身を包んで寝ていると、スマホの振動音が聞こえてきた。


電話……? 誰? お母さん?


お腹を刺激しないよう、ゆっくり手を伸ばして取り、画面をスワイプする。



「もしもし……?」

【もしもし麗華!? 大丈夫!?】

「ん……なんとか生きてる」
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