咲き誇れ、麗しい華。

さようなら、親しい友

──ピピピピピピ……。



午前7時。枕元の目覚まし時計がけたたましく鳴り響く。

目を閉じたまま、腕を伸ばして手探りで止めた。


あぁ……もう朝が来てしまった。


体を起こして、テーブルの上のスマホを取る。



「やっぱりないか……」



連絡が来ていないことを確認すると、ベッドに横たわり、目を閉じた。


あれから真子とは1度も話していない。


体育祭の練習の時も、帰る時も、挨拶も交わさず……。というか、お互いに目を合わせようともしなかった。


しかし──一夜経って冷静になった今、私も少しやりすぎたなと反省している。


恋心を知っていながらしつこく絡んで、突き飛ばした。

去り際、「いたっ」って小さい声が聞こえたんだよね。

練習中、何度かお尻を擦っていたのを見たから、尻もちでもついて痛めたのかなって。


傷ついたとはいえ、手を出したのは良くなかった。



「謝らないとな……」
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