咲き誇れ、麗しい華。
迎えに来た凛華に返事をして、小部屋を後にした。
「今日はなんだっけ。レバー?」
「レバーは明日。今日はちくわの磯辺揚げ」
保健室を出て一緒に教室へ向かう。
保健室登校を始めて1ヶ月。
授業中は小部屋で過ごしているが、給食と掃除の時間は戻っている。
毎月給食代払ってもらってるし、毎日2人分の机を運ばせるのは申し訳ないから。
「あっ、おーい」
談笑しつつ階段を上っていると、踊り場で怜央と鉢合わせた。そのまま3人で教室まで足を運ぶ。
教室に行けないのは、クラスメイトと仲が悪いというわけでもなければ、先生が苦手というわけでもなく。
はたまた、勉強が嫌い、授業が苦痛というわけでもない。
トイレに行く時以外はずっと部屋に閉じこもっているけれど、これでも1学期はクラスの誰よりも早く登校していた。
「っ、あ……」
廊下に出た瞬間、ピタリと足が止まった。
慌ただしく動き回る青い上履きの同級生たち。
その中に、赤い上履きの生徒がひっそりと紛れ込んでいる。
「大丈夫。あの人は牛乳を持ってきただけ。俺らのクラスのと間違えちゃったって、さっきすれ違った時にそう話してるのが聞こえたから」
「うん……」
「私、前歩こうか?」
「……ごめん、ありがとう」
深呼吸を数回したのち、凛華のあとに続いて歩を進める。
大丈夫。俺のクラスに来たわけじゃない。背格好が似ているだけで、別人だ。
怜央にも隣を歩いてもらい、なんとか教室にたどり着いたのだった。
「今日はなんだっけ。レバー?」
「レバーは明日。今日はちくわの磯辺揚げ」
保健室を出て一緒に教室へ向かう。
保健室登校を始めて1ヶ月。
授業中は小部屋で過ごしているが、給食と掃除の時間は戻っている。
毎月給食代払ってもらってるし、毎日2人分の机を運ばせるのは申し訳ないから。
「あっ、おーい」
談笑しつつ階段を上っていると、踊り場で怜央と鉢合わせた。そのまま3人で教室まで足を運ぶ。
教室に行けないのは、クラスメイトと仲が悪いというわけでもなければ、先生が苦手というわけでもなく。
はたまた、勉強が嫌い、授業が苦痛というわけでもない。
トイレに行く時以外はずっと部屋に閉じこもっているけれど、これでも1学期はクラスの誰よりも早く登校していた。
「っ、あ……」
廊下に出た瞬間、ピタリと足が止まった。
慌ただしく動き回る青い上履きの同級生たち。
その中に、赤い上履きの生徒がひっそりと紛れ込んでいる。
「大丈夫。あの人は牛乳を持ってきただけ。俺らのクラスのと間違えちゃったって、さっきすれ違った時にそう話してるのが聞こえたから」
「うん……」
「私、前歩こうか?」
「……ごめん、ありがとう」
深呼吸を数回したのち、凛華のあとに続いて歩を進める。
大丈夫。俺のクラスに来たわけじゃない。背格好が似ているだけで、別人だ。
怜央にも隣を歩いてもらい、なんとか教室にたどり着いたのだった。