咲き誇れ、麗しい華。

王子様の幼なじみたち

「いってらっしゃい」

「いってきまーす……」



翌朝。エプロン姿の母に沈んだ声で返して玄関のドアを開けた。


秋晴れの清々しい空。

だけど、私の心は昨日の曇り空のまま。なんなら雨まで降ってる。


はぁ……と溜め息をつき、通学路を歩く。


昨日は朝から夕方まで、終始地獄のような1日だった。


小部屋で1時間休んだ後、教室に戻ったら……案の定、クラスメイトたちに気まずそうな顔で迎えられた。

まぁ仕方ないよねと思いながら、授業を受けてたんだけど……。


相当根に持っているのか、毎時間後ろから椅子を蹴られて。

グループワークで話し合った時も、机の下で足を踏んづけられた。


話しかけても無視。でも私が発言する番が来ると、真顔で凝視。

クラスメイトたちも、口を出すと余計に険悪になるのではと恐れているみたいで。誰も助け舟を出したりフォローすることもなく、苦笑いするだけ。


放課後の演舞の練習も、振りを間違えるたびにギロリと睨まれて……。

先生と大隈くん以外、まるで腫れ物に触るような扱いだった。
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