政略結婚ですが、不動産王に底なしの愛で甘やかされています
「ど、どうしたの?」

 風呂上がりだから触れた肌はとても熱くしっとりしている。

「さっきは、恵茉の従弟にカッコ悪い姿を晒してすまなかった」

 これはやっぱり嫉妬していたということだよね。

「そうでもなかったと思うけど……」

 尻すぼみの声で言うと、涼成さんは私の肩に額をのせて溜め息をついた。

「恵茉、坪井になにか言われた?」

 いきなり痛いところを突かれて息を呑む。

「いや、言わなくていい。今から俺の話を聞いてもらいたい」

 身体を離して私をじっと見据える涼成さんの瞳が揺れていて、きっとよくない話なのだろうと胸が痛んだ。

 坪井さんからなにか聞いたのだろうか。

 ふたり並んでソファへ腰掛ける。手は涼成さんに握られたままで、体温を通して彼の緊張が伝わってくるようだった。
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