政略結婚ですが、不動産王に底なしの愛で甘やかされています
「まだ話は終わってないよね……?」

 やんわりと訴えると、言いたいことが伝わったのか「ああ」と頷いたのに、お母さんと景雪さんに口止めしていた件について話し出すものだから、そうじゃないとふくれっ(つら)を作った。

「坪井さんとの関係について教えてほしいんだけど」

 結局こちらから言う羽目になって、さっきまでの幸福感がどこかへいってしまう。

「社長と秘書。それ以上でもそれ以下でもないけど」

 呆気ない返答にぽかんとする。

 もしかして全部嘘だった……?

「その顔、なにを言われたんだ?」

「ええっと」

「ちなみに坪井は明日辞表を持ってくるそうだ。辞めなかったとしても俺の秘書からは外れてもらう」

「辞めるの⁉」

 急展開で頭が追いつかない。でも退職するなら社長と秘書の関係がこじれるのを気にしなくていいから、正直に話してもいいんだよね?
< 131 / 137 >

この作品をシェア

pagetop