政略結婚ですが、不動産王に底なしの愛で甘やかされています
「さっきはああ言ったけど、今夜は優しくするから」

 雨のように降ってきたキスは、甘さと荒々しさを交錯させながら私を翻弄する。

 唇を合わせているだけで満たされそうなくらいだったけれど、ごく自然に口の割れ目から侵入した舌が私のものを探しあてて搦め取ると、さらなる気持ちよさに快楽の感覚が麻痺し始めた。

「んうっ……」

 まるで真綿に包まれながら、ゆっくりと時間をかけて深い底に沈んでいくようだ。身体の力が抜けたところで、涼成さんは私の服を脱がせて胸の膨らみをそっと包む。

 肌に直接触れた大きな手は温かくて身体の奥が疼いた。

「涼成さん、もっと……」

 いっぱい触れてほしくて背中に腕を巻きつけながら口走ると、涼成さんは一瞬だけ瞳に苦しげな色を滲ませる。

「恵茉」

 なめらかな低い声が鼓膜を震わせ、情欲の波が身体中に広がっていく。自分の全身が彼を求めているのだと実感した。
< 135 / 137 >

この作品をシェア

pagetop