政略結婚ですが、不動産王に底なしの愛で甘やかされています
 魚料理、ソルベを食べ終わると肉料理がテーブルに並ぶ。この次はデザートとコーヒーだから、この素敵な時間もあとちょっと。

 窓の向こうには一層深くなった闇が広がり、街のきらびやかな光の粒が輝いている。

「食べ終わったらプライベートバルコニーに出よう」

「外に出られるの?」

「もちろん」

「えー! 楽しみ!」

 ワクワクしてつい大袈裟な反応をしてしまった。昨日オーバーリアクションだと言われたばかりなのに。

 こういう仕草が子供っぽいんだよね。もっとお淑やかでいられるようにしないとなぁ。

 ちらりと正面に座る顔を見ると、私の視線に気づいた涼成さんが目を弓なりに細めて笑う。

 心臓がドキドキと走って呼吸が上手くできない。

「柳沢家の土地の活用についてなんだが、候補として太陽光発電、保育園、アパートやマンション、シェアハウスが上がっている。恵茉はどう思う?」

「バラエティに富んでいるんだね。近くに動物保護施設が建設されることでの影響はある?」

 結婚の準備や引っ越しで、その後土地についての話題はこれまで出ていなかった。どうなっているのか気になっていたので涼成さんの方から話題を振ってくれてうれしい。
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