私の嘘と彼女の真実
なんの抵抗もなくそれを迎え入れ、自分から求めた。

「……あんなに渋ってたのに、やる気?」

唇が離れ、意地悪く和史が笑う。

「和史だってあんなこと言ってたけど、嘘だったんじゃ?」

それを真似て笑ってやり、季実枝は彼のそこを撫でた。

「なんかひさしぶりに興奮してる」

そのまま、ベッドに押し倒された。
そして――。

「やっぱ、季実枝とヤるのが一番気持ちいいな」

しばらくぶりにできたからか、すっきりした顔で和史は服を着ている。

「そう?
私は別に」

素知らぬ顔で季実枝も服を着てしまう。
そんなの嘘だ。
彼と別れてからご無沙汰だったのもあるが、やはり和史と身体を重ねるのは最高に気持ちよかった。

「嘘つきだな、季実枝は」

からかうようにちゅっと、和史がキスしてくる。

「そういうのは友子にやってよ」

「友子……。
友子、な」

乾いた笑いが和史の口から落ちた。

「俺、友子と上手くできるんだろうか……?」

自信を取り戻したはずの彼が、みるみる萎れていく。
気の毒ではあるが、これ以上季実枝にはなにもできない。
これだって、親友を裏切ってしまったと心が痛いのだ。

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