私の嘘と彼女の真実
「ま、頑張れ」

「……ありがとう」

結局、ホテルに来たときとは違い、項垂れたまま和史は帰っていった。



それから一週間くらいしてまた、季実枝は和史から呼び出しされた。

「シよ?」

「バカか!」

会った途端、いきなり頼まれて思わず彼の頬をひっぱたいていた。

「浮気だよ、浮気!
二度目は立派な浮気だから!」

「ひさしぶりの季実枝のビンタ、効くー」

なのに和史はへらへら笑っていて頭が痛い。
促されて店に入り、流れで飲み物を頼む。

「だってさ、やっぱり友子とはできないし、季実枝とヤる気持ちよさを思い出したらムラムラするし。
これはもう、季実枝に責任取ってもらうしかないだろ?」

にかっと実にいい顔で和史が笑い、そうなのかという気分になってくる。
しかしすぐに、いやそれは違うだろと自分にツッコんだ。

「知らないよ、自分でどうにかしなよ」

呆れ気味に、運ばれてきたレモンチューハイを季実枝が口に運ぶ。

「えー。
でも季実枝だって、俺とまたヤりたいって思ってるはずだけど?」

瞬間、中途半端にグラスを上げたまま止まる。
それはまるで、季実枝の心を見透かしたようだった。

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