私の嘘と彼女の真実
愛はない、ただ昔のセフレ関係に戻っただけ。
和史に友子という妻がいるのは後ろ暗かったが、身体だけの関係だからと季実枝は自分に言い聞かせ続けていた。

「俺、なんで季実枝と別れたんだろうな」

終わって並んでベッドに寝転び、天井を見上げながら和史がぼそりと言う。

「確かにさ、性格はあわないけど、季実枝は譲歩してくれるし。
それでも嫌なことははっきり嫌って言ってくれるし。
なんだかんだ言って、季実枝といるのは楽しかったなー、って。
だから別れても、セフレでいいから一緒にいたかったんだよな」

ふふっと懐かしむように小さく彼は笑った。
なぜかそれに、胸の奥がツキンと小さく痛む。

「そんなの、今まで言ってくれなかったじゃん」

そうすれば、なにか変わっていたんだろうか。
もしかしたら和史と結婚したのは友子ではなく、自分だったんだろうか。
そんな考えが浮かんでは消えていく。

「そうだな、言っていたら今頃、俺は季実枝と結婚してたのかもな」

自嘲するように和史が笑う。
彼も同じことを考えていて驚いた。
もしかして、和史は後悔しているんだろうか。

「……いまさら言っても遅いよ」

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