私の嘘と彼女の真実
きっと、和史との関係を責められる。
季実枝は身がまえたが、友子の表情は少しも変わらなくてなにを考えているのか読めなかった。

「もうすぐかずくんの誕生日なの。
なに、プレゼントしたらいいと思う?」

いつもどおり可愛らしく友子が小首を傾げ、一気に警戒が解けた。
まさか、そんな相談だとは思わない。

「なにって、無難にネクタイとかお財布とかでいいんじゃない?」

急にどうでもよくなり、適当な返事をする。

「えー、そんなありきたりのじゃダメなのよー」

不満そうに友子が頬を膨らませ、苦笑いしてしまう。

「結婚して初めての誕生日なのよ?
とびっきりのプレゼント、したいじゃない?」

友子は楽しそうに計画を立てているが、和史の心はもうすでに彼女から離れているのだ。
だからこそ、彼は季実枝と不倫している。
なのに脳天気に夫の不倫相手である季実枝にこんな相談をしている友子が哀れで、同時に滑稽だった。

「ふーん。
じゃあ、エロい下着着て、『私を好きにして?』とか迫ったらいいんじゃない?」

季実枝にしてみればそれは、精一杯の皮肉だった。
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