私の嘘と彼女の真実
「季実枝ちゃんの意地悪」
具体的にはなにも言わず、同じ台詞ばかり友子が繰り返し、だんだん季実枝は苛ついてきた。
彼女との友情が壊れるのは和史との不倫がバレたときだと思っていたが、まさか今だとは思わない。
「うん、わかった。
もうそれでいいよ。
私たちの友情もここまでだね」
伝票を掴み、季実枝は立ち上がった。
「えっ、季実枝ちゃん、怒らないで……!」
慌ててその手を掴み、友子が引き留める。
縋るように自分を見つめる彼女を季実枝は、冷たい目で見下ろした。
「謝るから!
だから、許して」
季実枝の手を握る友子は必死だ。
それに諦めたようにため息をつき、季実枝は椅子に座り直した。
「言い過ぎた。
ごめん」
友子には季実枝以外の友達がいない。
そのたったひとりの友達をこれくらいのことでなくすのは可哀想だ。
もっとも、彼女の夫と不倫をしている季実枝が言うことではないが。
「季実枝ちゃん、もう怒ってない……?」
上目遣いでおずおずとうかがわれ、季実枝が苦笑いする。
「怒ってないよ。
今度は真面目に考えるからさ。
旦那の誕生日でしょ?
そーだなー……」
具体的にはなにも言わず、同じ台詞ばかり友子が繰り返し、だんだん季実枝は苛ついてきた。
彼女との友情が壊れるのは和史との不倫がバレたときだと思っていたが、まさか今だとは思わない。
「うん、わかった。
もうそれでいいよ。
私たちの友情もここまでだね」
伝票を掴み、季実枝は立ち上がった。
「えっ、季実枝ちゃん、怒らないで……!」
慌ててその手を掴み、友子が引き留める。
縋るように自分を見つめる彼女を季実枝は、冷たい目で見下ろした。
「謝るから!
だから、許して」
季実枝の手を握る友子は必死だ。
それに諦めたようにため息をつき、季実枝は椅子に座り直した。
「言い過ぎた。
ごめん」
友子には季実枝以外の友達がいない。
そのたったひとりの友達をこれくらいのことでなくすのは可哀想だ。
もっとも、彼女の夫と不倫をしている季実枝が言うことではないが。
「季実枝ちゃん、もう怒ってない……?」
上目遣いでおずおずとうかがわれ、季実枝が苦笑いする。
「怒ってないよ。
今度は真面目に考えるからさ。
旦那の誕生日でしょ?
そーだなー……」