私の嘘と彼女の真実
しかし、親友と会ったあとに親友の夫と寝るだなんて、どれだけ度胸があるんだと季実枝は我ながらおかしくなってきた。

家に帰り、和史が買ってきてくれていた弁当で夕食を済ませる。
昔からそうだ、彼は手料理をせがんだりしない。
自分は料理が苦手だし、無理に作ることはないと言ってくれる。
そういうところは優しくて、好きだ。

「なー、友子と会ってたんだろ?
あいつ、なんか言ってた?」

和史の口調は、心配しているというよりも一応聞いておくかといった感じだ。

「んー、もうすぐ来る和史の誕生日、どうしたらいいか聞かれた」

それでまさか、親友関係が終了の危機に陥るなんて思わない。
あれはさすがに嫌味が過ぎていたなと季実枝は改めて反省した。

「なんて答えたんだ?」

「料理とケーキ作って、欲しがってた財布プレゼントしたらいいんじゃない?
って勧めておいた」

「ふーん」

聞いておいて和史は無関心そうだ。

「それよか、俺は季実枝からプレゼントが欲しいな」

にかっと笑い、彼が抱きついてくる。

「だから、それは友子からもらいなよ」

季実枝の口から疲労の濃いため息が落ちていった。

< 25 / 32 >

この作品をシェア

pagetop