私の嘘と彼女の真実
彼の言葉が、肉欲を満たすための出任せだってわかっている。
それでも今は、それに縋りたいと思っている自分は愚かだろうか。

そのまま、身も心も彼に溺れた。
今は、今だけは和史は私のもの。
そしていつか、すべてを手に入れる。



和史の誕生日からまもなく、季実枝はまた友子から呼び出しされていた。

「季実枝ちゃんに相談があって」

おどおどと上目遣いで、友子が季実枝をうかがう。
ついにバレたのかとヒヤッとした。

「もしかしてかずくん、……浮気、とかしてるのかな……?」

不安そうに揺れる瞳で友子は季実枝を見ている。
答えはイエスだが、正直に答えるわけにはいかない。

「どうしてそう思うの?」

平静を装い、コーヒーカップに口をつける。
手が震えないか気を遣う。
友子はどこまで、気づいているのだろう。

「毎日帰り、遅いし。
覚えのない、ホテル宿泊の履歴とかあるし。
それに、……これ」

テーブルの上を滑らされてきた携帯には、季実枝と和史がしたメッセージのやりとりが表示されていた。
背中を冷たいものが滑り落ちていく。
きっと、彼の携帯を彼女は盗み見たのだ。
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