私の嘘と彼女の真実
「本当に出張だったんだよ」
「カードの履歴に残ってるホテルが、聞いてた出張先じゃなくてこの近くなのも気のせいだよね?」
「……気のせいだよ」
笑顔で季実枝を追い詰めていく友子が、怖くて怖くて堪らない。
早くこの場を逃げだしてしまいたいが、かろうじて留まった。
「そうだよね、かずくんが浮気するはずなんてないもの。
だって、私はかずくんの赤ちゃんを身籠もっているんだから」
「……え?」
信じられない事実を聞き、勢いよく顔を上げる。
友子はうっとりとまだ膨らんでいないお腹を撫でていた。
「なかなか赤ちゃん来てくれなくて焦ったけど、ちゃーんと私のところにも来てくれたわ」
嬉しそうに友子は話し続けるが、季実枝の耳には少しも届いていなかった。
友子とはできないと言っていた。
だから自分を、自分だけを抱いているのだと思っていた。
なのに友子に子供ができたとは、理解できない。
「……そう。
おめで、とう」
「ありがとう、季実枝ちゃん」
勝ち誇った顔で友子が笑う。
自分は今、どんな顔をしているんだろうか。
上手く笑えている自信が、季実枝にはなかった。
店を出て、友子と別れる。
「カードの履歴に残ってるホテルが、聞いてた出張先じゃなくてこの近くなのも気のせいだよね?」
「……気のせいだよ」
笑顔で季実枝を追い詰めていく友子が、怖くて怖くて堪らない。
早くこの場を逃げだしてしまいたいが、かろうじて留まった。
「そうだよね、かずくんが浮気するはずなんてないもの。
だって、私はかずくんの赤ちゃんを身籠もっているんだから」
「……え?」
信じられない事実を聞き、勢いよく顔を上げる。
友子はうっとりとまだ膨らんでいないお腹を撫でていた。
「なかなか赤ちゃん来てくれなくて焦ったけど、ちゃーんと私のところにも来てくれたわ」
嬉しそうに友子は話し続けるが、季実枝の耳には少しも届いていなかった。
友子とはできないと言っていた。
だから自分を、自分だけを抱いているのだと思っていた。
なのに友子に子供ができたとは、理解できない。
「……そう。
おめで、とう」
「ありがとう、季実枝ちゃん」
勝ち誇った顔で友子が笑う。
自分は今、どんな顔をしているんだろうか。
上手く笑えている自信が、季実枝にはなかった。
店を出て、友子と別れる。