悪役令嬢ですが推し事に忙しいので溺愛はご遠慮ください!~俺様王子と婚約破棄したいわたしの奮闘記~2
部下どころか、同僚や上司にも容赦がない冷酷無情な厳しい隊長である。

時々忘れてしまいそうになるのは、こんなアメリアの問いかけにも普通に反応してくれるからだ。

(私の話をよく聞いてくれる、のよね)

無関心キャラだとゲームには描かれていたのに、そうだと思えない部分も、彼の冷酷優秀だというキャラをアメリアに忘れさせる。

「ほら、お前も見逃してしまいますよ」

クラークが、向こうを指差して言う。

「うん」

どうしてか、また懐かしい感じがしてアメリアは頷いた。

再びクラークと共に、ミッシェルの〝見守り会〟を続行した。会場は人々の談笑で煩いほどだった。

「あのきらきらとした笑顔、素敵すぎだわ……」

アメリアは、しゃがみこんだまま両頬を手で包み込んでうっとりとする。

「双眼鏡を持ってくるべきでしたね」

「わかります。もう少し大きくミッシェル様のご尊顔を堪能したい! はぁー、私幸せです。二人が無事に婚約できることになったあの舞踏会以来、とても充実しているのを感じます」

こうして、同じ最推しファン同士での活動もうれしい。

しかし、ふと、自分で口にしてアメリアは「ん?」と首をひねった。

「舞踏会……誰か忘れているような?」

クラークが、何やら察したような顔をした。

だが、間もなくして彼はこう続ける。

< 26 / 202 >

この作品をシェア

pagetop