悪役令嬢ですが推し事に忙しいので溺愛はご遠慮ください!~俺様王子と婚約破棄したいわたしの奮闘記~2
「見下ろして蔑まないでっ」

今度こそハワード騎士団長が情けない声を上げる。

「部下たちがな? あの冷徹で女性嫌いのお前が、甲斐甲斐しく殿下の婚約者様の世話も焼いていたという話を聞いたもんでな。いや、俺の部隊からも大丈夫かとちらちら相談がきたというか? うん、違うのならいいんだ」

その話はいったん仕舞いにするようだ。ハワード騎士団長が「おっほん」と咳払いをした。

「さて、本題といこう。お前が第一接触を見たという、例のバゼリリアン王国の第五王子だ」

クラークは、聞き流しを止めて彼に向き直る。

「調べたがあやしい点はなかった。留学の申請も、正規のルートをきちんと踏んでいる。元々好奇心旺盛でフットワークが軽いのか、アメリア嬢の時だけでなく、日頃から王宮内のあちらこちらで目撃されている」

「そうですか」

「相変わらずクールだなぁ。なんで調査を頼んだのか理由も俺は知らされていないんだけど?」

他に何かしら反応が見られると思ったのに、と彼はぼやく。

「まぁ、一回目の接触以降のことを聞くに、護衛騎士になったお前としては少し気になると思う。殿下に知られるのも、時間の問題そうだ」

「いえ、そうではなく」

「そうではなく?」

ハワード騎士団長が眉を顰める。

クラークは言葉を切り、少し考え込んだ。

「あの隣国の王族は、男児が圧倒的に多いことでも知られています」

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