最強幼女のお助け道中〜聖女ですが、自己強化の秘法の副作用で幼女化してしまいました。神器破城槌を振り回しながら、もふもふと一緒に旅を続けます〜
「確か……慈母神様が産んだ子神の纏う炎に焼き殺され、怒った主神様がその子神を神剣で斬り殺した時に生まれた神様だったわよね」

 異説の中には、慈母神マーネスが死んでしまっているなんてものもあるのだ。
 それじゃあ、今私が祈っている慈母神マーネスはなんだ? という疑問が湧いてくるわけだけど。

「ガウス様に関してはうろ覚えだけど、雷を司る神様だったはずよね。長い髪にいつも神鉄でできた髪飾りを差してたとか……あ!!」

 私は昔読んだ戦神ガウスの髪飾りに関する一説を頑張って思い出す。
 確か……戦神ガウスの力の源は生まれてから一度も切ったことのない髪。

 地面までつく長さの髪を、普段は髪飾りで結いていたとか。
 しかし、いざ戦いの際には、髪飾りを外して、長い髪を振り乱しながら、まさに戦の神たる強さを発揮した。

「神鉄……髪飾り……戦いの時外す……もしかして!!」

 私は一度担いでいた破城槌を地面に立て、表面に刻まれている翡翠色に輝く紋様を指でなぞる。
 戦神ガウスの項の挿絵に描かれてあった髪飾りにも同じような紋様があった気がする。

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