何度だってキミに、好きを届けたくて。
世界が色づいていくような気がした。

莉緒ちゃんの言葉に、くすんでいた世界に色がついていく。

深い海のようなところに沈んでいた私の心に、光が差し込んできたような、そんな感覚になった。



「乃亜なら出来るよ。だって、誰からも認められるほどの才能を持っているじゃん」



才能……。

私にも才能と言えるものがあるのかな。


……ううん。

あるんだ。


私の文章を認めてくれて、期待してくれる人がいる。

私が書いたものを最優秀賞に選んでくれた人もいる。

私が書いたものを発表して欲しいと言ってくれた人もいる。


私自身が、自分の中にある才能を認めていなかっただけかもしれない。
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