夜明けの天使たち
この402号室は2LDKなので、共用スペース以外は、一応プライベート空間もある。

ただでさえ、夜行バスで来たからまともに眠れていないのに、思わぬアクシデントまであり、疲れ果てていた。

だから、私は自分の部屋に入り、美和子さんが残しておいてくれたベッドに横たわると、いつの間にか眠ってしまった…。



ふと目が覚めて時計を見ると、もう22時だった。

変な時間に寝てしまったことに焦り、部屋を出ると、リビングに居た夏川さんは安堵の表情を浮かべて

「あ…よかった。部屋から全く音もしないし、かといって入るわけにもいかないから、どうしたのかと思って…」

なんだか、気を遣わせてしまって申し訳なくなる。
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