観念して、俺のものになって
朝7時に起きたはずなのに、気づけばベッドから動けないまま2時間が経っていた。
それもこれも、この人が強引で体力あり過ぎるせいだ!
体のあちこち、特に腰が痛くて痛くてしばらくはまともに動けさなそう。
紬さんのベッドの布団にくるまって、いじけていると彼が優しく声を掛けてくる。
「……俺が悪かったからそろそろ機嫌を直してよ、まひる」
「嫌です!1回だけだと思ってたのに、3回もヤるなんて!!今日は仕事休みだから良かったけど流石にやり過ぎです。えっち!ヘンタイ!!」
「今の言い方いいね。
もう1回言ってよ、えっちって」
「バカっ!!」
変態野郎に枕を投げつけると、
紬さんは軽快に笑って受け止めた。
「男は皆そういう生き物なんだよ。
特に好きな子にはね」
……まぁ、紬さんが私に欲情してくれたのは正直悪い気はしないけど。
それにしても回数が多い。
「お詫びに朝食は豪華にするから。
エッグベネディクト、腕によりを掛けて作るよ」
出来たら呼ぶから楽しみにしてて、と言い残して部屋から出ていこうとする紬さんを咄嗟に呼び止めた。
「あの、ずっと気になってた事がありまして」
「うん?」
「紬さんは私の事ずっと前から好きだったって言ってましたけど、私たちは以前会ったことがあるんでしょうか……?」
初めてガゼッタに訪れた時に聞いた、“やっと会えた”という一言。
まるで、初めましてではないと言うような口ぶりが心残りだった。
今なら聞けると思って布団から顔だけ出し、恐る恐る尋ねてみる。
紬さんは一瞬ハッとした表情を見せて、
意を決した様に口を開いた。
「ああ、いつか話そうと思っていたから今から話すよ」
「……今から5年前、きみは飛び降りようとしていた男を助けなかった?」
「あ、はい」
「それは俺なんだ」
「……!!」